デザイン研究の難しいところ

デザイン研究の難しいところって、「制作の研究」になるので、個人の作家性と、公共的な科学的な積み重ねが混ざりあってるところかも。 誰かの発見に乗っかることで、もっとデザインは広がるけど、(制作)の中に(知恵/知識/知見)が入り込んでる状態だと、繋げたり乗っかりにくい。

個人の経験が詰まった(制作)から、普遍的な(知恵/知識/知見)を取り出して、誰でも使える公共性のある状態に整理しないといけないけど、この方法がまだ謎。 ハードに取り出しすぎると、無味無臭の法則になるし、ウェットにしすぎると製作者自身がオリジナルティの愛着から逃げられない。

これは一人の実践者としてオリジナルティを高めつつグラフィックレコーダーをプレイしながら、周りに知見を広める活動をしてる時には見えなかったけど、グラフィックレコーダーの肩書きを取って、ひとまずリサーチャーになったら急に見えてきた風景。

デザインで作ったものから(知恵/知識/知見)を取り出す還元の方法。難しい。 現象学的還元にもヒントありそう。 すごく謎すぎるけど、今後も考えていきたい部分。 理科の実験のように、酸化物から酸素を取り出せたら楽なのにな。

学生の時は先生の書いた文章の使い方がさっぱりわからなかったけど、今になると、制作から還元した知をパブリックに使いやすいカタチにしているものかもしれないと感じる。色々な分野に使える道具としてのデザインの知のデザイン

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清水淳子 | shimizu junko

1986生まれ。2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後 デザイナーに。2013年Tokyo Graphic Recorderとして活動開始。2019年、東京藝術大学デザイン科修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師として、多様な人々が集まる場で既存の境界線を再定義できる状態 “Reborder”を研究中。著書に「Graphic-Recorder-―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書」がある。 twitter@4mimimizuでも日々色々と発信してます。

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