働きつつ、藝大に通いつつ、多摩美で教えていると、頭シャッフルされて、いろいろな発見がある。最近感じたのは、芸術/美術を学ぶ学生は、揺らぎのある言葉や曖昧な主観を起点にモノゴトを考えることが多いけど、なんとなくロジカルでもある、ということ。それは、明確なロジックだけではなく、柔軟性のあるロジックの世界観。fuzzy loglcと考えることはできないだろうか?と思ったら数学の世界には既にあった。 ( けど、ひとまず、ここでは数学的な意味では使わない。柔軟性のあるロジックという思考法のイメージの仮の名前として使わせてもらう。)
何かを作る時に「ロジカルシンキング🤔」だけでは色気(セクシーさ)が足りず、「エモーショナルシンキング🤩」だけでは色々と現実のと折り合いがつかない。クリエイターはその2つの世界の間に、「柔らかくて硬い」という矛盾した世界を使ってるように思う。fuzzy loglc。その曖昧なロジックの世界観を、浮島のように作ることで、両方の世界を行き来してるような気がする。
美大で先生の時は、自分がfuzzy loglcの浮島になって、学生のアイデアを現実世界に繋げる係をやる。藝大で学生の時は、ロジカル世界に行きすぎた自分を先生が、fuzzy loglcの浮島から感性の世界に繋げに来てくれるのを有難いと思う。その行き来をモノを作りながら旅するのがデザインの訓練なのかな? とか色々考。
また、自分が第二言語として活用してるくらいのビジュアル言語は、ロジックとエモーショナルの間にある「fuzzy loglcの浮島」を、みんなにも見えるように共有しようと具現化したもの。とも言えるのかもしれない。
「fuzzy loglcの浮島」これは自然に持ってる人もいれば、存在を知らない人もいる。あと知ってるけど怪しい場所だと感じてる人もいる。大人になって無理やり消してる人もいる。
ここ3カ月の体験で、今思いついた謎の場所なんだけど、一体なんなのか?これからも探求していきたい。
About The Author
清水淳子 | shimizu junko
デザインリサーチャー / 情報環境×視覚言語の研究 / 2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後 デザイナーに。2013年Tokyo Graphic Recorderとして活動開始。2019年、東京藝術大学デザイン科修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師として、多様な人々が集まる場で既存の境界線を再定義できる状態 “Reborder”を研究中。著書に「Graphic-Recorder-―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書」がある。 twitter@4mimimizuでも日々色々と発信してます。