車の教習所で思った上手な教え方

初めて人に教えるという体験をしたのは25歳の時。新卒で入社した会社を退職する際に『今まで学んだことを会社のメンバーに残していくつもりで、2時間くらい講義をやってみないか』と先輩に声をかけられて、教える場所を作っていただいたことが始まりだ。それから7年。なんだかんだいろいろなところで「教える」ということにチャレンジしてきた。でもまだまだ「教える」ということの正体はよくわからない。
だけど「教えることとは何か?」というのが、すこーしだけ分かったような気分になる瞬間ってのがある。それは「何かを誰かから教えられてる瞬間」前に車の免許を取りに行った時、その教官の教え方が上手くて、感動した。苦手な運転がこんなに楽しくなるなんて。と。その時の教え方をメモしておく。

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A-こんな風に教えてくれると嬉しい😊

1.はじめに全体像をインストールしてくれる
細かいことでは無く、大きなフレームワークフレームワークを自分で埋めていく。そのフレームワークは、イメージ今後どんなシーンでも応用可能であると教えてくれる。その考えを頑張って習得する価値があると思わせる。
(例 / 車を走らせるのではなく、自分が道の中心を走るイメージ。
そうすればどんな車種の車にも乗れますよ。)

2.自分の行為に関して実況中継がある
教える側の思考を言葉で、実況中継してくれる。今自分が何をしてるのか?(例/よーし、よしよし、今の曲がり方よいよ。)

3.こっそり反復練習できる時間がある
小さなトライを反復練習できる環境。
例えばバッティングセンターのような体験ゲーム性。試してる時にアレコレうるさく言わない。ほっといてくれる。その間空を嬉しそうに眺めるなど、ダルそうにせずに、ドライブを楽しんでるようなムード出してくれる。そうすると気にせず、何度もトライして上達を感じられる。

4.どこまで行ってるか?成功基準がはっきりしてる
トライに対して、自分のスコアを出してくれる
(ex.ダンレボみたいにcool!とか教えてくれる) 成功を喜び合う。失敗は、
責めないで、「惜しい!」って言って何故駄目だったのか探求する。評価するのでなく、成功に届くまでのハウツーを二人で考えるような空間。

5.成長の段階と未来を教えてくれる
a■WHEN いつまでに何が習得できるか?成長マップを教えてくれる(これでいつまでに免許取れますよ!)
b■HOW どんな楽しみが増えるか?成長のゆえの獲得物を教えてくれる(車で旅行するのはほんといいよ!)
➡これが解るとモチベーションアップして継続する、諦めなくなる!

そういう風に教えられると….

➡感覚として体になじむ
➡一人でも練習できる状態になる
➡自分のの能力への自信につながる
➡師匠への信頼につながる、質問が多くなる
➡向上心が膨らむ

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逆にこんな風に教えられると怖い….!😖

1.成功の基準に対して自分がどこにいるのか?不明
大勢教えてる中で自分の水準がわからない
➡(駄目過ぎるんじゃないか?普通なのか?それとも天才なのか?どこまで調子に乗っていいんですか…?わからないので硬くなる、少なくとも天才ではないような気がするから、勘違いして怒られると怖いから。保険のため、念のために、自虐的な設定がデフォルトになる…!)

2.自分の具体的な状態/アクションするべきことが不明
どこができていて、
どこができていないのか解らない。
➡(何処がGOODで、BADなのか?フィードバックをください。その場で、リアルタイムで教えて欲しいんだ。そしたらきっとすぐできるから。)

3.現時点の自分の良いところの兆しが不明
失敗したり、駄目な時だけ声をかけてくると辛い。
➡(プロからすると、できて当たり前かもしれないけれど、
できたら何か褒めてくれると安心する…ゆとりなのかな…でも…1mmでもいいところあったら褒めて欲しい…。まずは、シートベルトつけるの忘れなくてえらいね!とか、なんでもいい…。車の運転と自分の接点が欲しい!)

そういう風に教えられると….

➡論理ばかりが先走る
➡一人で練習できない
➡自信がなくなる。
➡師匠に恐れしか感じない、一方通行になる
➡本当にできるのか?と不安が膨らむ

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たぶん、上手くいくプロセスの可視化も大事だけど、同時に、失敗するプロセスの可視化も大事な気がする。ストライクゾーンがお互いわかる仕組み。

簡単に感じるけど、実際に教えるのは本当に難しい…!

***

ちなみに、車の免許が取れたかというと、私が忙しすぎて、途中で止まってる!先生がよくても自分の時間がないとどうしようもない。という当たり前のことにも気が付いた。早く免許欲しい。

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教えるってなんなのか? 教えつつ、教えられつつ。両方の体験から、今後も考えていきたい。

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About The Author
           

清水淳子 | shimizu junko

1986生まれ。2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後 デザイナーに。2013年Tokyo Graphic Recorderとして活動開始。2019年、東京藝術大学デザイン科修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師として、多様な人々が集まる場で既存の境界線を再定義できる状態 “Reborder”を研究中。著書に「Graphic-Recorder-―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書」がある。 twitter@4mimimizuでも日々色々と発信してます。

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